秦直之の「モータースポーツ巡礼記 みんなもっと好きになれ!」第153回 日本一早いチャンピオンが誕生、まだ6月なんですけどね(笑)

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投稿日時
2016/06/20 11:27
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今年のスーパーFJもてぎシリーズは、全5戦のうち最初の2戦がダブルヘッダーで、1か月後に第3戦があって、第4戦がこの週末だったことで、早くもチャンピオンが誕生しました。ちなみに、この次の最終戦は10月末って、どういうスケジュールやねん、って気もしないこともないのですが、何はともあれ、4連勝を飾って新チャンピオンに輝いた伊藤鷹志選手を、名づけて「日本一早い(笑)チャンピオン」とね。

速いではなく、現状ではまだ早いだけなんですけど、本当に日本一速いかどうかは、今後の結果次第。というのも、伊藤選手は「日本一決定戦」も制して、F4スカラシップの獲得を目指しているからです。この目標が達成されれば、誰もが認めることになるでしょう。

そんな伊藤選手は1995年4月28日生まれの21歳。12歳からカートレースを始めていますが、そのきっかけはクルマ好きの両親に、レンタルカートコースに連れられていったこと。そこですっかりハマって、やがて自分のカートを購入し、レースにも出るようになったんだとか。18歳になるとFJ1600を使ったフォーミュラフィリピンに出場して王座を獲得。昨年はスーパーFJ筑波シリーズに第2戦から出場し、全戦3位でシリーズ3位に輝いています。

今年、活動の舞台をもてぎシリーズに移したのは「日本一決定戦の舞台だから」で、シリーズそのものは「あくまで練習」だと伊藤選手。「日本一決定戦が最大のレースだと思っているので、シリーズは練習。練習で勝てないドライバーが本番で勝てるわけがないと思っているので、しっかり全勝して西から来るドライバーに負けないよう備えています」というのが、その理由だそうです。しかしながら、現時点でレース内容には満足していないのだとか。

「今のところ負けなしで、予選もそんなに悪くないタイムではあるんですが、失礼を承知で言えば、今年出ているドライバーを見ていると、そんなにレベルは高くない。もし、2012年とか13年のドライバーが今、出ていたなら僕も真ん中ぐらいにしかいられていない可能性も。なので、速いドライバーが出ていた時のことを考えたり、もし速いドライバーが現れたら、というのは常に考えたりするようにはしています。実際、まだまだだとは思っていますので、これからも気は抜かずにいようと。100人が見て、100人とも納得する走りは、今はまだできていないですが、いずれ誰が見ても『一番だね』って思うドライバーになりたいので」と伊藤選手。

ちなみに、その強さの秘訣にD.D.R AKIBAという、近頃はやりのシミュレーターショップでインストラクターを務めていることでもあるのだとか。実車ではないにせよ「絶えず乗れる環境にあって、考えながら運転することが習慣になっているのは、非常に大きいと思います。今回、FJそのものには2か月ぶりに乗ったんですけど、ブランクみたいなのはまったくありませんでしたから。他の人のを見るだけでも効果ありますし」と伊藤選手は語っています。

ちなみに伊藤選手の愛称は「チン」(笑)。なんでかは、その笑顔を見てもらえば分かると思いますが、インストラクターとしても取っつきにくさがなくていいんじゃないかなぁ。ちなみに自分の性格を「良く言えば、お調子者、悪く言えば、ただ調子に乗るヤツ」って分析していますが、どっちも一緒じゃない? しかし、「目立つために、ちょっと頭を使って行動しているので、真のお調子者ではありません」ともつけ加えてくれましたが、実際はどうなのかな(笑)。

そうそう、チャンピオンになった今の気分は? 「最高です。でも、レース後半のラップが伸びず、これでは日本一決定戦で勝てないし、せいぜい5位とか6位。課題は残してしまいました」。うん、浮かれてはいないようだね。これからがもっと楽しみ。