第158回 アルファロメオ4Cスパイダー(2)

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投稿日時
2016/09/27 04:33
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熱狂的なアルフィスタである私は、軽量ボディとミドシップという走りを期待させるクルマの成り立ちと、ティーポ33/2ストラダーレを彷彿とさせる美しいスタイリングにより、プロトタイプの発表時からアルファロメオ4Cにすっかり心を奪われてしまいました。

しかし、高級車メーカーだった戦前はともかく、戦後のアルファロメオは日常領域から楽しめる実用性とスポーティな走りを両立させたセダンやクーペこそがその本分であり、一部のコンペテションモデルを除いてピュアスポーツはほとんど存在しません。言うなれば、アルファロメオとはスポーツカーメーカーではなく、あくまでもGTとでも言うべきメイクスなのです。

そんなアルファが“らしくない”ミドシップレイアウトのピュアスポーツを作ったのですから、これはもう驚き以外のなにものでもありませんでした。

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そこで実際に試乗する前に基本となるスペックを洗い出し、クルマの物理的基本を見抜くことで、アルファロメオ4Cスパイダーを検分することにしたのです。検分作業に当たっては、4Cとともに市場で競合するであろうライバルと、類似性が見られる歴史上のモデル数台をピックアップし、条件を揃えて比較することで4Cを知る手掛かりにすることにしました。

比較対象としてピックアップしたのは、市場で競合する可能性の高いロータス・エリーゼSとポルシェ・ケイマンS、同じフィアットグループの中でより上のクラスを担うフェラーリ458、ミドシップを採用した元祖ピッコロ・フェラーリのディーノ246GT、ラリーで勝つために作られたランチア・ストラトス、そして90年代のアルファ快進撃の呼び水となったSZ(四半世紀前の4C的存在)です。

それぞれのスペックは右の表にある通りです。この中でスポーツカーの運動性能を探るヒントとなるのが「ホールベース/全長比」と「ホールベース/トレッド(前後トレッドの平均値)比」になります。

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前者からは、旋回中に慣性モーメントを発生させるオーバーハング部分が全長に対してどれだけ少ないかを知ることができます。スポーツカーと乗用車との境目となる比率はだいたい60%と言われており、これより数字が大きくなるとクルマの性格はよりスポーツカー的となるのです。

そして後者からは、クルマのサイズに関係なく前後左右のタイヤ位置で決まる長方形の縦横比(ホイール・プリント・レシオ)が求められます。簡単に言えば、ホイールベースに変わりがなければ、トレッドが広いほどよく曲がり、トレッドが狭くなると安定性が高くなるわけです。スポーツカーと乗用車の境目となる比率は1・6と言われており、これよりも数字が大きくなると安定性が増し、乗用車(GT)的な性格が強くなります(続く)。