第180回 徳大寺さんの愛したカレー(4)

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投稿日時
2016/09/30 14:48
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(前回の続き)徳大寺さんは学生時代の私にアドバイスしてくれた通り、豊富な知識と経験により、クルマを軸にファッション、グルメ、映画、音楽、恋愛、文化と縦横無尽に何でも語れる希有なモータージャーナリストでした。

とくに美食家としてもよく知られており、食に関しても一家言お持ちでした。徳大寺さんをよく知る人に聞いたところ、「高級なフレンチなどももちろん好きだけど、芋の煮転がしや焼き鳥なんかの庶民的なものでも旨いものなら好きだよ」とのこと。こういうところからの徳大寺さんの人柄が伺えます。

じつは件のインタビューの際、過去に徳大寺さんのインタビューを行ったという友人のライター・マリオ高野さんにお話を聞くに当たってのアドバイスを求めました。すると、彼は「徳大寺さんに話を聞きに行くのなら、とにかくお土産に美味しいお菓子を持って行くこと。美味しいお菓子をお持ちすれば巨匠は機嫌良く話をしてくれるはずだよ」と教えてくれました。

徳大寺さんと言えば、長年糖尿病をわずらっていたハズ。そんな人にお菓子をお持ちして良いものか・・・。するとマリオさんは「巨匠は病気だからと好きなものを控えるような人ではないよ。マズいものを食べて長生きするくらいなら美味しいものを食べて太く短く生きることを臨むタイプ。どうしても気になるなら、洋菓子よりもカロリーが低い和菓子にすればいいんじゃない? 巨匠はケーキも好きだけど和菓子も嫌いではなかったはずだよ」とのこと。

そこでマリオ高野さんのアドバイスに従って和菓子を手土産にお持ちすることにしました。選んだのは浅草・亀十のどら焼き。ふわふわの柔らかい皮に、しっとりとした上品な甘さのアンコのマリアージュが溜らない逸品です。

年配の方へのフォーマルな手土産としては外れのない和菓子です。これまでも漫画家の西風先生、アニメーターの大塚康生さん、政治家の西村慎吾先生、選挙違反で逮捕されて先日釈放された田母神俊雄さんにお持ちして喜んで頂きました。また、お土産として手渡したわけではありませんが、評論家の岡田斗司夫さんに勧めて「このどら焼きをすごい!」と喜んで頂いたことがあります。

残念ながら、私は徳大寺さんがお持ちしたどら焼きを召し上がる現場に立ち会うことはありませんでしたが、口の肥えた徳大寺さんならきっと喜んで頂いたと思っています(続く)。


●亀十
住所:東京都台東区雷門2-18-11
電話:03-3841-2210
都営浅草線「浅草駅」A4出口から徒歩3分
東京メトロ銀座線「浅草駅」2番出口から徒歩1分
浅草駅(東武・都営・メトロ)から61m

写真: kazzzzak.blog74.fc2.com