第181回 徳大寺さんの愛したカレー(5)

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投稿日時
2016/09/30 15:29
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(前回の続き)そんな食通の徳大寺さんはカレーにも並々ならぬこだわりがあったようです。徳大寺さんの好きなカレーは、野菜をスープ状になるまで煮詰めたカシミールカレーのような本格派はもちろんのこと、そば屋の黄色いカレーも好きだったそうです。

ただ、カレーなら何でもいいかと言えばそんなこともなく、そば屋のしながきにあるカレー丼は出汁とカレーの取り合わせが口に合わず、好みに合わなかったと言います。また、カレーはビーフやチキンといったオーソドックスな具材のカレーはいちばんのお好みだったとか。

ただし、そんな徳大寺さんのカレーに対する思いが高じてか、自動車マスコミ業界に今も伝わる“事件”が起きました。

もうずいぶん前のことですが、VWの試乗会が伊豆で行われたときのこと。この日、徳大寺さんはカレーで有名な川奈ホテルでのランチを朝から楽しみにしていたそうです。

ところが、川奈ホテルのレストランに立ち寄った徳大寺さんはメニューを開いて驚きます。メニューに載っていたカレー料理はロブスター・カレーひと品だけ。注文を取りにきたボーイに徳大寺さんは「カレーはこれだけですか?」と聞きました。

すると、ボーイは「はい。うちはロブスター・カレーしかやっていません」と返します。そこで徳大寺さんは「それはいくらなんですか?」と続いて尋ねます。ボーイは「7000円です」と答えました。

その瞬間、徳大寺さんの怒りは爆発しました。「支配人を呼びなさい! カレーで7000円というのは、どう考えても常識が外れている。ついでにシェフに、ロブスターなるものがもっともカレーに合う具と信じているのかどうか聞いてくれ」。怒気を孕んだ徳大寺さんの声にボーイは慌てて走って行ったそうです(続く)。


写真:http://4travel.jp/travelogue/11140850