第185回 徳大寺さんの愛したカレー(最終回)

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投稿日時
2016/09/30 19:21
[写真]

(前回の続き)しばらく待っているとお待ちかねのカレーが登場。カレーは肉以外の具材がルーに溶け込んだオールドスタイルの欧風カレーで、ビーフがやや多めの印象です。

まずはルーをごはんに一口分かけてパクリ。おお、これは旨い。野菜がトロトロに溶け込み、スパイシーですが非常に精練されたルーの香りが鼻孔をくすぐります。具材のビーフも柔らかく、しかも肉の旨味をしっかりと閉じ込めており、一口噛むごとに蕩けるような肉汁が口いっぱいに広がって行くのです。上品なルーと上質なビーフ、そして美味しいご飯が口の中で渾然一体となって解け合って行く・・・これは美食家の徳大寺さんが推薦するのも頷けます。あまりの美味しさに気がつけば一皿ペロリと平らげてしまいました。

心行くまでスターライトグリルのカレーを堪能した私は、おかわりしたコーヒーを飲みながら、ふと物思いにふけこみました。

一昨年から今年にかけては小林彰太郎さん、川上完さん、徳大寺有恒さん、前澤芳雄さん、石川雄一さんと、日本を代表するモータージャーナリストの重鎮が相次いでこの世を去りました。この業界の末席にいる私を含めて後進はまだまだ育っておらず、私たち若手はベテランから多くのことを学ぶ必要があります。そんな中で学ぶべき人生の先輩を次々と失って行くことに寂しさと悲しさを覚えました(了)。