第190回 VWパサートGTEヴァリアント アドヴァンス(5)

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投稿日時
2016/10/03 13:05
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(前回の続き)東品川にあるVWJからVWパサートGTEヴァリアントの広報車を借り出したとき、初めて実車を目の前にして思ったことは、オーバーハングが短くノーズが長いRWDのようなフォルムでもなければ、複雑な面構成やシャープでエッジの効いた流麗なスタイリングでもなく、「最近のDセグはずいぶんと大きくなったなぁ〜」というサイズに関する感想でした(実際には先代と全長・全幅はほとんど変わりませんが、私は線第に乗る機会がなかったのでこのように感じてしまいました)。

今から20年ほど前、Dセグと言えば全長4500mmまで、ホイールベース2600mm前後というのが実質的な上限でした。参考までに偏在までに私が買った最後の新車(今のところは)である95年型アルファロメオ155TSのスペックを記しておくと、全長4445mm×全幅1695mm×全高1440mm、ホイールベース2540mm。ところが、パサートGTEヴァリアントは全長4775mm×全幅1830mm×全高1500mm、ホイールベース2790mmとサイズ的にはかつてのEセグくらいあります。

Dセグ肥大化の背景には、年々厳しくなる衝突安全規制に対し、サイズアップが有利になることが挙げられます。サイズを拡大すれば、安全技術に莫大な金額を投資する必要がなく、開発コストを上昇させることなく衝突安全試験の結果を向上させられるのです。

しかも、搭載するパワーユニットや技術レベルを向上させないままDセグのサイズアップを図った結果、米国市場(中国市場も)で販売の主力となるミッドサイズカーと大きさ的に遜色がなくなり、メーカーにとってはグローバルマーケットを狙う世界戦略車として都合が良くなります(現在ではDセグとEセグとはサイズの違いではなく、エンジニアリングレベルの差によって区別されるようになりつつあります)。

ただし、サイズアップに合せて道路や駐車場などのインフラが拡大されたわけではないので、ファミリーカーとしての使い勝手は損なわれてしまいました。とくに都市部の道路インフラが貧弱な欧州各国(ドイツを除く)や日本ではその傾向が顕著です(続く)。