第191回 VWパサートGTEヴァリアント アドヴァンス(6)

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投稿日時
2016/10/03 13:20
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(前回の続き)その割にこれらの国々のユーザーから不満の声が挙がらないことを不思議に思われる方がいらっしゃるかもしれません。ですが、依然として階級格差の呪縛から逃れられない欧州では、社会的なポジションによって乗ることができるブランド・車種が自動的に決まってしまいます。プレミアムDセグ、Eセグにステップアップできない人にとって、Dセグこそが成功の証しであり、グレードアップのゴールになるわけです。

上質で大きく、立派に見える割には値段が安いクルマを求めるそうしたユーザー層の要望に応えるかたちで、90年代後半からDセグがラインナップの上限であるVW、フォード、オペル、プジョーなどのメーカーを中心にDセグを肥大化させて行ったのです。

また日本では長期的な経済低迷により、国民の可処分所得が年々低下して行きました。その結果、コロナ/ブルーバードクラスの1.5〜1.8L級の5ナンバーセダン、スカイライン/マークIIクラスの2〜2.5L級3/5ナンバーセダンから、軽自動車やコンパクトカー、5ナンバーミニバンへと販売の主力が移行して行きました。

そうした経緯から欧州とは事情はだいぶ異なるものの、このクラスの国産セダン/ステーションワゴンも同じようにサイズアップされ、グローバルカーである拡大されたDセグ、プレミアムDセグに統合されて行きました。日本市場では無闇矢鱈なサイズアップは「使い勝手が悪くなる」としてあまり好意的に受け入れられないのですが、このクラスのセダン/ステーションワゴンを購入するユーザーが激減したことで、一部のクルマ好きを除いて不満の声が挙がることはほとんどありませんでした(続く)。